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池川こども園
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池川こども園

個人立認可保育園として1951年に開所した園舎の主要構造部を含めた老朽化による建て替えです。 森林面積90%と大半が山林の仁淀川町では、多様な生態系や杉檜といった木材、仁淀ブルーや五色石とも言われる豊かな環境に恵まれる一方、猪などの野生動物や倒木、落石と手付かずの自然ならではの危険と共存している。 敷地は平地の少ない山間部で、西側に一級河川と街並みが広がり北東に向かうにつれて標高が高くなる。平時は山谷風が昼夜で逆方向に流れるが乱れると天候が崩れる前兆であることが多く、霧や朝靄、驟雨など山の天気のように日々天候が目紛しく変化する。

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瀬音が響く谷側へ寄せた旧園舎の配置に対して、通過交通が少なく道路との高低差にもより葉擦れ程度の穏やかな山側。高低差のある敷地内において、飛び石や獣害を考慮して山側に堅固なRC造の園舎を配置し園舎と園庭の安全性を向上させるとともに西の谷側へ開いた。 乳児室は静かな山側へ、活動的になる幼児室は谷側へ配置した。風が抜け動線が回遊し活動が屋外とさらに敷地外へも表出するよう意図した。

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interior

exterior

子ども達の体格差を考慮して年次や活動によって分けても遊べるようデッキテラスやフラットな屋上芝生広場、ルーフテラスなど複数設けた遊び場は、地元木材をふんだんに使用した各保育室からも直接出られる立体的な回遊性をもたせた構成とした。平面的にコンパクトな園舎は動線が短くなるよう各室を配置し、断面的な起伏により各室の居住性の向上を図り、特徴の異なる園庭は屋内を繋ぐように連環する。 眺望が優れる西側へ開いた保育室や外部空間は、雲の形や風の流れ、夕景などから観天望気を体験として学ぶ一助となる。敷地と園舎が合目的的な機能を集めたものではなく、自由度を高めることで積木のように遊び方を考えて学べる場所となることを目指した。

workshop

旧園舎解体前から行っているワークショップは、敷地内外の植栽計画の一環として子ども達と一緒にどんぐりなどの地場の種子を拾い育て、竣工後苗が育った後に町民も参加して地植えを行った。その後も樹名を記した白磁の設置や外来種の見分け方などのレクチャーも交えつつ定期的に行っており、将来的に芝生は原っぱへ、高さのある植物の苗は獣害の懸念がなくなる程度成長した後に町道との境のフェンスをなくすことを計画している。

data

​用途:幼保連携認定こども園(保育園より移行)

竣工:2021.03

規模:412.2㎡​

敷地:高知県吾川郡仁淀川町

省エネ性能:BELS☆☆☆☆☆同等

(省エネ法計算結果による簡易算定:エネルギー消費量47%削減)​

構造設計:AIG

外構設計:SfG

施工:尾崎建設興業

​動画:アリガトウデザインコンサルティング

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