横田建築設計事務所
yokota design office



雪籠の家
オホーツク海沿岸の高台に建つ夫婦と子ども達のための住宅です。 漁業を営む建主はシーズン中は夜明け前から出漁し夕方前に帰宅、冬季は流氷により漁以外の仕事をして過ごすため季節によって生活のスタイルが変化します。家庭内での時差、友人や仕事仲間の訪問、子ども達の成長、季節や経年により揺蕩う住まい方に呼応する家を目指した。

道内最大の都市札幌と比較して、積雪荷重は40cm少なく凍結深度は20cm深い網走市。沿岸でありながら海抜30mほどの高台に位置した敷地周辺は海岸線に沿うように防風林が並び北西には住宅街が広がる。 地形と気圧配置により冬は積雪より北西からの地吹雪を伴う強風が多く配置計画における要と考えた。 「大きな中庭が欲しい」そんな建主の言葉から始まったこのプロジェクトは、除雪方法や雪溜め場、風雪の影響が大きい道路へのアプローチ、地吹雪を巻き起こす隣地駐車場との相関性が計画の出発点となった。

interior
courtyard / garage
中庭を回り込むように配置したLDKと二階ホールは、床レベルと気積に変化をつけることでリゾーム状に連続しながらも緩やかに分節する。生活のリズムが異なっても友人が集っても”面”としての広がりと視線の通らない捩れがそれぞれにとって見え隠れする居場所の選択性を膨らませる。 屋外の中心となる中庭は敷地内キャンプや大型プールなど多様な用途を包括する広さを確保しつつ、機能としては質量のあるRC壁を駐車場側へ配置し、外壁仕上げをラスモルタルとすることで内部への音の伝播を抑えた。 ガレージの建具や屋内のサッシを閉じれば、袋小路状になり風が詰まることで地吹雪を低減し、開くことで屋内の気圧差換気を含めて積極的に風を通すこともできる造りとした。
facade
ファサードとなる北側は地吹雪を防ぐ風除室を兼ねたガレージ。
ガレージの開閉の自由度と半透過する建具により、車を外へ出すことで中庭と連続した日除け・雨除けのスペース、夫婦の趣味であるバイク弄りをする作業場、友人達とのバーベキュー会場へ様変わりする。
風洞としての機能を持ちつつも、ガレージの建具は塩害の影響を考慮したハードウッドのフレームとプリズムのように光が拡散する半透過のFRPにより、閉じ過ぎず開き過ぎない移ろうファサードを目指した。

data
用途:戸建住宅
竣工:2021.12(ファサード外構2024.8)※中庭工事中
規模:146.3㎡
敷地:北海道網走市
省エネ性能:認定低炭素建築物(フラット35S金利A適合)
構造設計:A+1
設計協力:辺見設計
施工:アティア







































