横田建築設計事務所
yokota design office



清和さわらび園
小高い丘の中腹に位置する病児保育所を併設した新設の保育所です。 隣地のこども園と連携・補完を目指したさわらび園の敷地は、段丘の中腹に位置しており南側は高台を抑える擁壁が聳え、北側は低地へ降り開けた眺望が広がります。

企業主導型保育所という性質上、隣地こども園の保育士や職員の子どもを優先的に預かる保育所として、園庭を一体的に連続させWCを隣地側に設けることで、子ども達の外遊びだけでなく保育士の交流も視覚的、動線的に可能な配置とした。 少子化の進む地方都市では年度によって入園希望者数が変動しやすく、通園する0〜2歳の年次ごとの在園児に合わせて可変する構成を目指した。

interior
exterior
高台側の擁壁に対する条例に基づき安息角の及ぶ範囲の1階および2階床スラブをRC造とした。RC造の利点を活かした柱と壁の少ない大きな保育室は、木構造部を流通している規格の地場産無垢材とすることでコスト低減と保育室内における有機的な表情を加えた。 園庭への陰が濃くなり過ぎないよう高さを抑えた切妻屋根とし、軒を深くすることで陽射しの強い高知でも遊びやすい園庭を設計した。
actibities
室内は時間変化に伴いトップライト、ハイサイドライトから光を反射・拡散しながら導かれ、順光となる園庭は古来から醸成されてきた北庭のように内部と親密な庭園となり、遠景は借景として季節の移ろいが鮮やかに感じられます。冬季は床暖房のみで過ごせる断熱性により自由度の増した保育室で、吹抜けは視覚的な広がりや明るさ、異なる構造体と気積による音の反響の違いが生じ、遊びやお昼寝の場所選びなどワンルームでありながら多様性と選択性を齎します。
敢えて北向きに開いた保育室はカーテンの要らない連窓と軒下デッキテラス、園庭へとシームレスに繋がり、豊かな外部環境を内部に包含し、子ども達の情緒豊かな成長を促す場所となることを願っています。

data
用途:保育所+病児保育所
竣工:2022.12(外構2023.3)
規模:143.0㎡
敷地:高知県高知市
構造設計:A+1
外構設計:SfG
施工:建築企画曽我
外構施工:南国緑地建設









































